大分県産業科学技術センターニュース
大分県産業科学技術センターニュース
N o . 1 2 6 2 0 0 3 . 1 0 / C O N T E N T S
発行:平成 15 年 9 月 24 日 大分県産業科学技術センター 技術支援部 〒 870-1117 大分県大分市高江西 1-4361-10 TEL.097-596-7101成果紹介 放電軸加工技術に関する研究・・・・・・1
成果紹介 表面処理(ブラスト処理)用竹粒に関する研究・3
ニュース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
『ものづくり IT 融合化研究会』の発足/展示ホールの活 用/企業との共同研究事業の実施 など
事業報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
ナノテクノロジー講演会・ナノテクノロジー研究会の 開催/インターンシップ実習生の受入れ/地域コンソ ーシアム推進委員会の開催 など
【お知らせ】技術研修の実施・・・・・・・・・・・・・6 導入機器紹介・・・・・・・・・・・・・・7
当センターには、以前から機械・電子部品や医療関連部品 などへの微小な穴加工や形状加工に関する相談が寄せられ ています。要求寸法は、数百から数十μmと極めて小さなも のです。
微小穴加工を例にあげれば、穴径 200 μ m まではマイク ロドリル加工や細穴放電加工が利用できます。200 μ m 未満 100 μ m 以上であれば細穴放電加工による対応とな ります。100 μ m 未満は、対応できる設備が当センターに はありません。ドリル加工にしろ、細穴放電加工にしろ、要 求穴径より小さな工具が無ければ加工は不可能です。逆に 考えれば、要求に適した極小な工具が存在すれば可能とな るわけです。ドリル加工では、工具形状が複雑なため極小な 工具の作製には限界があると考えられます。一方、細穴放電 加工は、単純な細軸を工具として利用できる技術ですから 極細軸さえ作製できれば 100 μ m 以下の微小穴が加工で きるようになります。
そこで、当センターでは、極細軸を作製する技術として「放 電軸加工技術(SEDM: Shaft Electrical Discharge Machining)」 を発案し、直径 20 ∼ 30 μ m 程度の軸を容易に作製でき る加工技術の実用化を目指して研究を進めています。
放電軸加工技術の基礎技術となる放電加工技術は、電気 エネルギーで金属を加工する電気加工法です。工具となる 電極と工作物を数μ m まで接近させた際に発生する放電 現象により工作物を溶融しながら電極形状を工作物に転写 するように加工が進行します。電極と工作物が接触すると 放電現象は起こらないため、放電が安定して生じるよう常 に数μ m の間隙を維持するように制御しています。そのため、 電極と工作物が接触しない非接触加工法です。また、高硬度 の工作物であっても加工できる特徴があります。したがって、 工具の接触により変形するような微細な形状や複雑形状の
成果紹介
放 電 軸 加 工 技 術 に 関 す る 研 究
生産技術部 城門由人([email protected])
電極移動 経路 ワイヤ電極
移動方向 工作物
工作物回転方向
ワイヤ 送り方向
図 1 放電軸加工技術の加工概念
(a)直径60μmの極細軸 (b)フィン形状
放電加工は、日常目にしている家電製品、自動車部品など のプラスチック、樹脂製品の金型や部品の加工などに広く 使用されており、用途に応じて形彫放電加工、ワイヤ放電加 工、細穴放電加工に大別されます。このうち、放電軸加工法 はワイヤ放電加工を応用した加工技術になります。通常、ワ イヤ放電加工は、固定した工作物を直径 100 ∼ 300 μ m の黄銅製ワイヤで精密切断する技術ですが、放電軸加工法は、 回転する円柱状の工作物をワイヤ放電加工する技術で高精 度な軸や回転立体を作製します。
放電軸加工技術は、大径軸から小径軸への加工が極めて 短時間で行えるという特長があります。放電軸加工法では 任意の直径の軸状工作物から要求形状を 1 工程で仕上げま すが、類似技術で唯一微細軸を加工できるワイヤ放電研削 法(WEDG: Wire Electrical Discharge Grinding)では切 込み量が制限されるため、切込み代が大きな加工では膨大 な時間を要してしまいます。この特長により形彫放電加工 機で高精度に保持できる軸部分と微小穴加工用の極小軸部 分が存在する半径比の大きな多段軸を短時間で作製できま す。これにより、一般的な形彫放電加工機による微小穴加工 が実現できます。
このように、放電軸加工技術を利用すれば特殊な加工装 置や専用機を導入することなく汎用のワイヤ放電加工機と 形彫放電加工機で微細軸及び微小穴加工が可能となります。
放電軸加工技術は、ワイヤ放電加工機に放電軸加工装置 を設置し、図 1 に示す概念で加工する技術です。ワイヤの移 動を制御することでストレート軸以外に任意形状の回転立 体形状を作製できます。放電軸加工法は、要求形状の片輪郭 に沿ったワイヤ移動制御により1工程で形状を加工するこ とができるため、加工時間を短縮でき、複雑な加工制御を行 う必要がない合理的な加工技術です。
図 2 に加工サンプル (a) 直径 60 μ m、長さ 1mm の微細
軸、(b)フィン形状、(c) 3次元形状部品、(d) 直径 200 μ
m のストレート軸を示します。材質はいずれも銅です。これ らは、旋削などの接触型加工技術での加工ができず、放電研 削法では非常に長時間を要する形状であり、放電軸加工技 術の特長を生かした加工形状です。(a) は、先端径 60 μ m、 段付部分 5mm の多段軸となっており、加工時間は約 7 分 30 秒です。同様の形状加工(Φ 5mm からΦ 60 μ m への 軸加工)をワイヤ放電研削法では数十分の時間を要します。
図 3 は、放電軸加工法で作製した先端直径は 200 μ m、 長さ 4mm の微細軸電極による穴加工例です。放電軸加工 法で作製した微細軸を形彫放電加工機の電極として使用し 微小穴を加工します。電極の保持部の直径は 8mm であり、 コレットチャックにより精度良く保持されます。これにより、 細穴放電加工で必要な電極の振れを抑制するためのガイド が不要となり、細穴加工専用の装置が除外でき、かつ、加工 セッティングが非常に簡単になります。
以上のように、放電軸加工法はワイヤ放電加工機を活用 して微細・3次元形状の加工を実現できる技術です。導入に 際しては、放電軸加工装置をワイヤ放電加工機に設置する のみで、ワイヤ放電加工機には特殊なオプション装置や制 御装置の必要はありません。また、制御方法も通常の2次元 加工と同様ですから、新たな習得技術なしに容易に数十μ m レベルの微細加工ができます。
今後も、より高精度かつ効率的に微細加工が行えるよう 研究を進め、企業への技術移転を図り、微細加工領域へ技術 展開を企てる企業に対し技術支援していきます。
携帯電話型
(a)形彫放電加工例
ゲームパッド型 フロントグリル型
パンチ形状 ギア形状
Φ125μm穴加工 (b)ワイヤ放電加工例 (c)細穴放電加工例 放電加工例(一部写真提供三菱電機株式会社)
図 3 放電軸加工法で作製した直径 200 μ m の 電極による微小穴加工
放電軸加工の様子
最近、竹の侵食による山林の荒廃が社会問題になってき ています。一方、建築用「木舞竹(コマイタケ)」の需要の伸び 悩みから、製竹業界からは、竹材の新たな需要開拓への期待 が高まっており、未利用竹材、中でも本県においては大径マ ダケ材の工業的な用途拡大が必要となっています。
このような状況の中、ブラストメーカーからは、塗膜剥離 やバリ取り等の表面処理を行うブラスト処理用投射材とし て、硬い表皮をもつ竹材の有用性が示唆されています。
ブラスト処理とは、粒状物をその対象物に投射して汚れ 等付着物の剥離・除去や、バリ等の除去、あるいは梨地(なし じ)のように表面に凹凸を付ける表面処理方法であり、薬品 を使用しない表面処理方法として幅広く利用されています。 しかし、投射材使用時の飛散や投射後の廃棄といった環 境の問題から最近では天然材料が注目されてきており、現在、 天然材料として、クルミ殻や杏核、桃核、とうもろこしの穂 芯が用いられています。
竹材を投射材として利用する場合には、表皮近くの硬質 部分を使って角張った一定サイズの竹粒を製造する必要が ありますが、現状では粉末状やチップ状に加工する竹の粉砕・ 破砕技術はあるものの、投射材に適した竹粒の製造技術は 確立されていません。
そこで、本研究では、需要が低迷している大径竹材の用途 拡大と、環境に優しく研掃効果に優れた竹粒投射材の開発 を目指して、竹粒の製造技術の開発とそのブラスト評価試 験を行いました。
竹粒の製造は、まず湿式油抜き処理を行った市販の県産 マダケ材を菊割り具によって一定幅に分割し、それを竹剥
ぎ機で厚さ約 1.0mm に加工してヒゴ状の表皮付き材料を 用意しました。この材料を用いて、せん断力を利用した竹粒 製造実験装置によって、図 1 のような 1mm 角の竹粒製造 を行いました(特許出願中)。この竹粒製造方法は、鋸刃を使 用しないために鋸屑が発生せず、1mm 角の竹粒を製造す るために鋸身 2mm 幅分の鋸屑を排出する無駄がありませ ん。しかも、この 1mm 加工設定の場合の粒度も、竹材の個 体差はあるものの、篩目 1.0 ∼ 1.4mm で約 7 割程度の収 量を得ることができました。
次に、製造した竹粒の投射材としての適性を判断するた めに、ブラストメーカーの協力を得て、ブラスト評価試験を 行いました。
表面処理(ブラスト処理)用竹粒に関する研究
材料科学部 中原恵([email protected]) 企画管理部 大内成司([email protected]) 竹工芸・訓練支援センター 阿部優([email protected]) 竹工芸・訓練支援センター 寒竹慎一([email protected])
図 1 約 1.0mm 角に加工した竹粒材料とマッチ棒 図 2 ブラスト評価試験装置と投射部
試験は、図 2 に示す加圧式エアーブラスト方式の試験装 置を使用し、投射圧力 0.4Mpa,投射距離 100mm,投射角 度 90°でノズル径 6mm から被射体へ 5 秒間(投射材重量 で約 3 ∼ 4g)の投射を行い、被射体表面の観察と投射材の 形状観察等を行いました。投射材は、表 1 に示すように 22 ∼ 12mesh(篩目 0.71 ∼ 1.40mm)で篩い分けした竹粒 の他に、比較試験用として市販投射材の 14mesh ナイロン 粒と 20mesh クルミ粒を用意し、被射体は 100mm × 100mm 面で、アルミ板と鋼板を母材として表 2 の処理を 施した 6 種類のものを用意しました。
ブラスト試験結果を図 3 に示します。鋼板とアルミニウ ム板に施した塗膜を研掃することができましたが、表面を 粗化して塗装した強固な塗膜に対しては十分な研掃力を発 揮できませんでした。また、ナイロン粒やクルミ粒と比較し てみると、ナイロン粒とは同等かそれ以上の研掃効果を示 しましたが、クルミ粒には及びませんでした。
投射後の被射体の表面を観察してみると、クルミ粒が被 射体の塗膜だけでなく母材まで粗化しているのに対して、 竹粒では母材への影響がほとんど見られませんでした。こ れは、母材を傷つけずに塗膜だけを研掃できるという点で、 塗膜剥離作業上の大きなメリットになると考えられます。 また、投射後の投射材の形状は図 4 で明らかなように、クル ミ粒やナイロン粒に比べて、竹粒が投射の衝撃によって細 かく割れてしまっていました。これは、竹粒製造過程におい て生じた亀裂が原因と考えられ、投射による研掃効果を高 めるためには技術的にまだ改善の余地があります。一方、ク ルミ粒やナイロン粒が静電気で装置壁面や容器に付着しや すかったのに比べ、竹粒には静電気がほとんど発生せず、取 扱いが容易であることが判明しました。
現在、さらにサイズの異なる竹粒の製造条件の確立や、投 射によって破砕しやすい竹粒の技術改善に取り組んでいま す。
粒度分布
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
6 8 10 14 20 28 35 48 70 100 150 200 280 pan
粒度(mesh)
竹ショット(元)
竹ショット(ブラスト後)
粒度分布
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
6 8 10 14 20 28 35 48 70 100 150 200 280 pan
粒度(mesh)
クルミショット(元)
クルミショット(ブラスト後)
粒度分布
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
6 8 10 14 20 28 35 48 70 100 150 200 280 pan
粒度(mesh)
ナイロンショット(元)
ナイロンショット(ブラスト後)
%
%
%
図 3 ブラスト評価試験の結果
投射材:上段がナイロン粒、中段がクルミ粒、下 2 段が竹粒 被射材:左からアルミ板、鋼板、表面処理塗装アルミ版、
表面処理塗装鋼板、塗装アルミ板、塗装鋼板
図 4 ブラスト処理前後の粒子分布
どのものづくりに関わる企業が集い、情報交換・意見交換を 行う場として「ものづくり・IT 融合化推進研究会」を発足し ます。本研究会は、ものづくりという共通の基盤に立脚し、 大分県の特色を生かした支援プロジェクトを創出し、県下 のものづくり力の強化を図ることを目的としています。 県下のものづくり産業の活性化を図るためには、効率的 な生産システム体制が必要です。CAD/CAM に止まらな い IT を利用した効率的生産体制の構築が必須であり、また、 企業間のネットワークや産学官の連携が重要です。研究会 には、県下のものづくり関連企業、産業科学技術センター、 大分大学地域共同研究センター、 (財)大分県産業創造機構、 (独)産業技術総合研究所ものづくり先端技術研究センター
が参加し、大分県に適したものづくり体制の構築のための 協議を行います。また、外部講師を招き最新技術情報や国内 外の技術動向など視野拡大のための講演会を開催します。 研究会では、大分県の産業に応じた加工技術データベー スや効率的な製品開発のための構造・鋳造解析支援ネット ワークを共同開発するなど、県下のものづくり産業の活性 化を図るための支援プロジェクトを創出していきます。
「ものづくり・IT 融合化推進研究会」の詳細については事 務局までお問合せください。
事務局:大分県産業科学技術センター 生産技術部 TEL 097-596-7103 (生産技術部 城門由人 [email protected])
展示ホールの活用
平成6年の産業科学技術センタ−発足以来、第 1 回「大分 の酒展」から延べ 11 回、当センターに併設する展示ホ−ル において、県下の工業・工芸製品などの現況を、その背景と
ともに広く紹介する場として、「企画展」を開催してきました。
現在、開催中の「業務成果展」は、当センタ−の近年におけ る研究開発成果、技術指導・技術相談の成果を試作品や資料 として展示し、県内中小企業とセンタ−の係わりをセンタ ーを訪れる県内外の皆様方に紹介しており、すでに 1000 名以上の方にご覧いただいてます。
今回の「業務成果展」以降においても、異業種交流、産学官 交流の活動成果や県内中小企業の新技術・新製品を紹介す る「ショールーム」として、また当センターの研究開発成果 などの紹介の場として、展示ホ−ルを積極に活用していき
ri.go.jp)で公開いたします。
展示ホ−ルの企画・運営について、ご質問ご要望がありま したらご連絡ください。
(技術支援部 樋田宣英 [email protected])
企業との共同研究事業の実施
○先導型共同研究事業県内企業から緊急性を要する技術課題を募集し、当セン ターと企業が共同で集中的な研究を実施し、短期間に、その 技術課題を見極め、先導することを目的としています。 今年度は、5企業と共同研究を実施する予定です。
○デザイン経営資源化事業
独自技術を生かした商品開発に取り組む企業を募集し、 センターや県内外のデザイナーとともに製品開発プロジェ クトを組み、オリジナル商品の開発等デザインを経営資源 とする底力のある企業を育てていくことを目的としていま
す。今年度は、(株)マロックスと(株)MOM の商品開発に
取り組みます。
○異分野技術融合化事業
県内 10 の試験研究機関が共同で研究開発や調査研究を 行い、地域産業(1 次産業∼ 3 次産業)が共に発展する技術 開発を進め、県内産業に技術移転により地域産業の活性化 に結びつけることを目的としています。
今年度は、①未利用スギ部材を活用した幼具(幼稚園・保 育園用家具等)の開発研究、②魚類の種苗生産における計数 処理自動化に関する調査研究、③県産桑茶を用いた保健機 能食品の開発に関する調査研究、④芹川ダムのアオコ発生 機構の解明と浄化・資源化の調査研究 を実施します。
(企画管理部 佐藤哲哉 [email protected])
科学技術フェアの概要
青少年の科学の芽を育成することを目的とした「科学技 術フェア」を 11 月 3 日(文化の日)に開催します。昨年まで のセンターフェアと異なり、対象は小学校 4,5,6 年生で、事 前に申込みをされた方のみ参加できる人数限定型です(申 込み多数の場合は抽選となります)。工作教室・実験教室な ど体験型の催事を多数準備しますので、ふるってお申込く ださい。
詳細は、9 月下旬県下小学校に配布するパンフレットで ご確認ください。
(技術支援部 水江宏 [email protected]) 研究会実施内容
加工技術データベースの開発及び活用
参加には事前申込が必要 対象は小学校 4,5,6 年生
ものづくり支援ネットワークシステム<構造・鋳造解析支援ネ ットワーク>の開発及び活用
技術者の技術レベルの向上を目的に、 右表のテーマで技術研修を開催します。 表の内容で具体的なご意見・ご要望があ りましたらお知らせください。なるべく 参加者の希望を取り入れた研修内容で実 施予定です。
開催時期や内容の詳細については、後日、 FAX・ホームページ等でご案内します。 積極的な参加をお待ちしています。
(技術支援部 水江宏 [email protected])
企業の技術者を対象とした技術研修の実施
テ ー マ 概 要 実施形式
企業に必要な情報セキュリティに関する技術研修 ・情報セキュリティーに対する脅威の実際・自社内情報システムの脆弱性の把握テスト他 座学2時間実習2時間
コンピュータによる半導体集積回路設計研修 ・C言語ベース開発設計及びIPコアを用いた開発・SystemC、FPGA、VHDLによる集積回路設計 座学4時間実習2時間×6日
幾何形状の精密測定技術研修 ・3次元測定機と画像測定機の測定原理と不確かさ 及び現場での活用事例 座学4時間×2日実習3時間×2日
食品の微生物および品質管理に関する技術研修 ・微生物管理及び高度な品質管理・アレルゲン検査キットを用いた実習 実習3時間×12日実習5時間×2日
化学分析に関する技術研修 ・走査電子顕微鏡による観察技術・分析機器(EPMA)の操作技術 座学4時間実習3時間
ナノテクノロジー講演会/ナノテクノ
ロジー研究会の開催
今日の厳しい経済状況の中で、現状を打破するためにナ ノテクノロジーが注目されており、ナノカーボンや微粒子・ 微粉末等に関する研究開発や応用技術が話題になっていま す。
本県においても、県内企業の新技術創出に向け、ナノテク ノロジーの導入について、情報提供を目的とした、ナノテク ノロジー講演会を昨年度より開催しています。今年度第1 回講演会を 8 月 1 日に開催しました。
「製品開発のための身近なナノテクノロジ−の応用と課題」 と題して、講師に東京理科大学名誉教授の小石眞純氏を、ま た、本講演のコメンテータに(株)国際基盤材料研究所会長 の佐々木正氏を迎えて、実施しました。
講演では、「ナノテクノロジ−は古くからある技術で、ガ
ラスやセラミックス、陶磁器、無機粉体、粘土鉱物、顔料など の有効利用は、その歴史も長くて話題も豊富である。最近の 電子顕微鏡技術が進展したことに伴い、目でみるナノの世 界が急に拓けてきた。製品開発において、具体的に何を検討 すれば良いのか、また大分県にある地場産業において、どの ような検討をすればナノテクノロジ−原点の商品化が可能 なのか」など具体的な事例を交えて示唆に富むお話をいた だきました。県内企業、大学等より 64 名の参加がありまし た。
また、本県におけるナノテクノロジーへの取り組みの足 ががりとするため、ナノカーボンや微粒子・微粉末等のナノ 材料に関する具体的な調査研究を進めることを目的として、 センター研究員や大学、県内企業の研究者・技術者による「ナ
ノテクノロジー研究会」を発足しました。第 1 回研究会を 7 月 29 日に開催し、会員など 14 名の参加を得て、今後の活 動計画等についての意見交換をおこないました。
(企画管理部 佐藤哲哉 [email protected])
インターンシップ実習生の受入れ
インターンシップは、「学生が、専攻している分野や将来
の就職に関連した就業体験を行う制度」のことです。以前か ら、大学の 3 年生を中心に実施されていましたが、最近では、 職業意識の形成や、学習意欲の向上のために、インターンシ ップを積極的に推進する取り組みが行われています。 日本経済の産業構造の変化、国際化、情報化の進展に伴い、 独創的な発想ができる能力、自分で問題を発見・解決できる 能力、自己責任で行動できる能力などを持った人材の育成 が重要となっています。また、企業内では能力主義の徹底な ど、従来の雇用慣行が急速に変化し、採用活動においても、 採用後の即戦力として、個々の学生の能力そのものを問う 傾向が強くなってきています。このため、創造性や自主性な どを備えた人材の新たな育成システムとしてインターンシ ップは注目されています。
当センターでは、センターが保有する技術を中心に、より 具体的な実習テーマを準備して、インターンシップ実習生 を受け入れています。実習では、これまで学校で学んだ知識 を活用して、学生が自ら考えて取り組めるような課題を中 心に実施しています。
今年度は、大分高専の学生 4 名が、画像処理技術やシミュ レーションによる回路解析に関するテーマに取り組みまし た。学生にとっては、初めての社会体験で、初日は緊張して いたようですが、2 日目以降は、与えられた課題に、文献調 査やインターネットで情報を調べたりと、自分で問題の解 決に向けた取り組みを積極的に行っていました。どのテー マも、学生にとっては、やや難しいテーマのようでしたが、 問題解決に向けた体験が、学校とは違った形で、できたので はないかと考えています。
しました地域新生コンソーシアム研究開発事業(テーマ名: 磨きレス加工が可能な金型用 CCM 加工システム開発に関 する研究)の第1回推進委員会が、去る 7 月 18 日に(財)大 分県産業創造機構にて開催されました。この委員会は、今年 度の研究開発を具体的にどのように実施していくかをコン ソーシアムの参加メンバーで話し合うものです。
冒頭、オブザーバの九州経済産業局技術企画課山崎課長 補佐から「地域活性化のため産学官連携による事業化に直 結した研究開発をお願いしたい。」との挨拶がありました。 会議では、当センターの古室センター長が委員長に選出さ れた後、プロジェクトリーダから研究開発の概要について の説明が行われ、参加各機関メンバー 10 名により議論が行 われました。とりわけ金型用 CCM 加工システムの要素技 術であるソフトとハードの高機能化については、それらを 順次組み合わせた段階的開発が望ましいとの結論になりま した。
当センターは、参加金型メーカーなどとともに試作シス テムの機能評価を主に担当します。また会議には外部アド バイザーとして東京工科大学教授福井雅彦氏と(独)産業技 術総合研究所ものづくり先端技術研究センター所長小島俊
雄氏が参加されましたが、「短期間の開発作業なのでシステ
ム構築にあたり具体的目標を明確にすることが望ましい。」 とのアドバイスがありました。
(生産技術部 大塚裕俊 [email protected])
機関の 49 名の構成となりました。
会議では、研究会の活性化に向けた運営・活動計画案に対 し活発な議論が行われ、会員相互の情報交換の場を設定し、 自社技術のポテンシャルや解決すべき課題などについて、 会員各社よりプレゼンテーションを実施していくことなど 提案がありました。
また、「半導体と FPD の技術動向と産学連携」と題し、九
州工業大学マイクロ化総合技術センターの浅野種正教授を 講師に迎え講演が行われました。この中で、ナノサイズのモ ールド転写技術による微細加工、三次元 SiP 技術など産学 連携による最先端の研究取り組み事例のほか、SiP 研究会 (http://www.si-cluster.jp)立ち上げなど最近のホットな
話題について紹介がありました。
(生産技術部 秋本恭喜 [email protected])
日本自転車振興会の補助事業で
「3次元測定機」を導入しました
導入した3次元測定機は、(株)ミツトヨ製 FaicioApex910 です。この装
置は、先端が球形の測定子を測定物に接触させて、3次元座標を高精度に測
定する装置です。直線・穴(軸)・平面等の幾何形状の測定や平行度・直角度・
同軸度等を計算することができる他、以下の特長があります。
●首振りヘッドの搭載で、測定物への容易なアプローチ ●3次元 CAD データ(IGES,SAT)との照合測定 ●画像測定プローブによる非接触測定
【主な仕様】 測定精度 (1.7+3.0L/1000) μ m L:測定長(単位:mm) 測定範囲 X 軸 905 mm, Y 軸 1005 mm, Z 軸 605 mm 最大積載重量 800 kg
皆様方の積極的なご利用を、お待しております。
No.126 2003.10No.126 2003.10
大 分 県 産 業 科 学 技 術 セ ン タ ー ニ ュ ー ス
木質製品のシックハウス対策講習会
の開催
昨年 7 月に建築基準法が改正され、シックハウス症候群 を引き起こす可能性のある合板やパーティクルボード、接 着剤、塗料などの使用を制限するシックハウス症候群対策 などが盛り込まれ、今年 7 月 1 日から施行されました。これ を踏まえ、6 月 13 日に日田産業工芸試験所にて、講師に(社) 全国家具工業連合会統一表示委員会委員長の小松一雄氏を 招聘し、木質製品のシックハウス対策講習会を開催しました。 家具や建具などの県内関連企業の方を中心に、約 60 名 の参加があり、講師から建築基準法の改正で盛り込まれた シックハウス対策や改正された建築基準法に対応するため に(社)全国家具工業連合会統一表示委員会がとりまとめた 室内環境配慮(統一表示)マークの運用規定などについて説 明がありました。引き続き行われた質疑応答では活発な意 見交換がなされ、この問題に対する関心の高さがうかがわ れました。
(日田産業工芸試験所 山本幸雄 [email protected])
(社)発明協会大分県支部事業の紹介
産業科学技術センターでは、(社)発明協会大分県支部を
支援しています。
●「英国科学実験講座クリスマス・レクチャー」の開催
英国の科学者マイケル・ファラデーによって 170 年前に 創設された青少年向けの科学教育事業で、英国では毎年ク リスマス時期に壮大な実験パフォーマンスが行われていま す。日本では、読売新聞社の主催により、1990 年の夏期か ら開催されるようになり(前年冬の英国レクチャーを再現)、 毎年 2 カ所(東京及び地方都市)で行われています。本年度は、 県内の青少年が著名な科学者と直接触れ合える機会をつく り、県内の青少年の「科学する心」の醸成を目的に、7 月 21 日、22 日に「素材∼化学が起こす奇跡∼」をテーマに別府 市のビーコンプラザで開催され、2 日間で 1,700 人余りが 聴講しました。
●「きつき少年少女発明クラブ」の発足
(社)発明協会では、昭和 49 年から「少年少女発明クラブ」 事業を行い、全国 150 クラブで推移して来ましたが、平成 14 年度の科学技術基本法の制定を背景に、全国で 100 ク
ラブ増設しようとの運動を展開しています。大分県では、昭 和 58 年の「大分少年少女発明クラブ」、平成 4 年の「別府少 年少女発明クラブ」発足以後、途絶えていた新規発足につい て、平成 15 年度には大分県の「科学の芽育成事業」による 補助もあって、県内市町村への少年少女発明クラブ活動の 紹介、運営方法のノウハウ提供などの発足支援を進めてい ます。
その結果、「杵築市」の熱意ある取組の結果、7 月 19 日に
「きつき少年少女発明クラブ」が発足しました。今後とも、地 域市町村、地域の経済・産業界、大分県、そして ( 社 ) 発明協 会の本部・支部の 5 者が連携して、21 世紀を支える青少年 の科学技術に対する理解が深まるよう、少年少女発明クラ ブの新設を目指します。
●「ものづくり体験教室」の開催
ものづくり体験教室は、文部科学省が主催し、(社)発明協
会が実施協力を行い、将来を担う青少年の「科学する心」を 醸成することを目的に、ものづくりを通じて科学技術に親 しむ機会を創るものです。
今回は、大分県が募集した「県庁ものづくりクラブ」と「大
分少年少女発明クラブ」「別府少年少女発明クラブ」合わせ
て 75 名の参加のなか、8 月 9 日、10 日の両日、大分地域 職業訓練センターを会場に、熱気に包まれての開催となり ました。ここで製作されたロボットは、タイムトライアルを 行い、その結果は文部科学省に送られ、全国集計の後、優秀 者を集めての全国大会が東京で開催されます。昨年に引き 続き、全国切符の朗報を待っているところです。
(技術支援部 坂下仁志 [email protected])